投稿募集! スレッド一覧

スレッド作成 他のスレッドを探す

[PR]   英会話独学北海道  銀座 インプラント
teacup. ] [ 無料掲示板 ] [ プレミアム掲示板 ] [ teacup.コミュニティ ] [ ブログ ] [ チャット ]

新着順:11/97 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

蒔嵯峨帝国物語

 投稿者:智香  投稿日:2008年 8月19日(火)15時59分45秒
  通報 返信・引用
  琉架 琉奈、聞いた!?
琉奈 何を?
琉架 智香の馬鹿、よーやく新シリーズ開始だって
琉奈 遅
琉架 まぁねぇ・・・話しの構想を丹念に練ってたんじゃないの?
琉奈 あいつにそんな甲斐性あるはずがない
琉架 こらこら、仮にも作者をあいつ呼ばわりしないの
琉奈 あんたも馬鹿呼ばわりしてたくせに
琉架 ううう・・・。・・・失礼、紹介が遅れました。私は枕草子イメージキャラクター双子姉、琉架と申します。
琉奈 ・・・
琉架 ・・・ほら、琉奈も!
琉奈 琉奈です
琉架 ・・・まぁいいや、えー今回から智香が新シリーズを開始するということで、本日はわたくし達が前書きに参加することになりました
琉奈 どーせ智香が面倒なだけだろうけど
琉架 妹の言葉は9割がた真実なので、信じて損はないです。・・・話がそれた、蒔嵯峨帝国について簡単に知りたいという方は、前回発信したラジオを参照ください。それではー
琉奈 「蒔嵯峨帝国物語」始動です
琉架 うあ、美味しいところだけ持って行きやがった!


第一章 十六夜麒麟の巻

今からは数えるも遠い遥かいにしえ、この地に倭と呼ばれし蛮族の地あり。
彼ら、愚かな過ちにて自ら滅す。
時経て地は歪み、新たなる人種生まるる。
其の者、自然を慈しむ民なり。
民は森羅と共に生き、崇めたてまつる。
日の出の朝に生まれし者、各々の地に四散す。
彼ら、六神を敬い生きる。
六神はやがて人の地に降臨す。
皇族となりし神、この地の発展に与する者なり。 ―――蒔嵯峨帝国国譚より

     ***

かつてこの地には倭と呼ばれる国があった。
其の国滅んで二十後(200年後)、倭に移民と煙たがられていた一族の皇帝が黎明帝国を築き上げた。
その地は帝、皇務、民三つの地位を以て織りなされる。
しかし84代皇帝の代、古くから帝家と確執のあった一族にて惨殺される。
この一件は、帝国の名とそして当代の帝の名をかけて「東雲の変」もしくは「暁降ち」と揶揄される。  ―――古典「黎明国創世記紀」より

     ***

カツッ、コツッ・・・。
小気味よい、規則正しい石を踏む音が響く。
塔の中をらせん状にめぐる階段を上るのは、青い髪に銀の瞳をもつ青年。年の頃は20後半か。
やがて彼の足は、重々しい木の扉の前で止まった。
細かい文様の施された鍵をあけ、そっと中へ呼びかける。
「―――絢子様」
響くのは、穏やかな声音。一般成人男性のものにしてはやや高い。
部屋の中からは、衣擦れの音、木と木がこすれ合う音が零れてくる。
そして。
「おはよ、絃之」
中から出てきたのは、金の髪を無造作に首のあたりで括った女性。絃之と呼ばれた青い髪の青年より、若干年下の風貌をしている。
「おはようございます、絢子様。琳華様は・・・――」
「もう起きてるわ、あの子朝は無駄に強いから」
「左様でございますか。では、お二人とも支度をして下さい」
「・・・え?」
本気できょとんとしている絢子に軽く頭痛を覚えた絃之は、こめかみにそっと手を当てる。
その様子に、絢子はじとっと据わった目を向けた。
「・・・・・・今、馬鹿にしてたでしょ」
「いえいえ、めっそうもありません」
「嘘。『こいつやっぱ忘れてたな』って顔に書いてある」
「もともとこんな顔ですから」
くるくると表情の変わる絢子と違い、絃之は基本的に変化のない表情をしている。冷徹なのではなく、怒ったりすることが少ないので自然と柔和な顔立ちが保たれているのだ。
「・・・」
「さ、準備を済ませてください。今日は我が十六夜領地の祝賀祭ですからね」
ここにきてようやく絢子は目を見開いた。
「あー、祝賀祭!忘れてた!」
「・・・・・・絢子様」
「す、すぐに準備するから。あー、なるほど。道理で琳華の支度にいやに時間がかかったわけだわ」
ばたんと閉められた扉の前に立ち、絃之は深く深くため息をついた。
琳華、絢子、絃之。
彼らは蒔嵯峨帝国中枢である、「麒麟」の地を守護する皇族である。
しかし六神が一人として地上に降りたころに比べると、その霊力はだいぶ劣っていると言えよう。そもそも神が人との間に子を成して血が継がれてきたのだから、当然と言えば当然である。
しかし、まれに甚大な霊力を持って生まれてくる子もいる。琳華がそれだ。
もはや消え去ったかと思われる「清眼」を持ち、「麒麟」を統率するだけの力もある。
こうして様々なものを抱えている人間は、えてして命を狙われやすい。
それを案じた琳華の両親は、琳華を幼いうちからこの「麒麟殿」の巫女にすることを決めた。
巫女なれば殿の最奥、地下岩倉に身を置くことができ一命を保護するだけの人材も揃う。
我が子愛しさゆえの一計だった。

 ―――聞こえるか、わが声が。
 ―――見えるか、わが姿が。
 ―――感じるか、わが恨みを。
 ―――我らからすべてを奪い去った偽りの神よ、わが憎悪と怨嗟を
 ―――貴様たちは忘れていよう。
 ―――否、眼をそむけているだけだ
 ―――目を瞑って、耳を閉ざして。
 ―――美しき空虚の国の汚点がないかのように
 ―――しかし、思いしるがいい。
 ―――貴様たちの崇める、その神
 ―――その神の、いかに無力なことを
 ―――汝が命を以て、思いしるがいい。

「――――――・・・っ」
琳華は頭を振った。
朝起きた時から、耳鳴りがやまない。
耳鳴りの中に、声が聞こえるのだ。
恨み、妬み、嫉み、怨み、怨嗟、憎悪、憎しみ。
あふれ出るような負の感情が、耳鳴りに乗って琳華の耳朶を刺激する。
「・・・琳華様?」
幼いころから何かと世話を焼いてくれた、麒麟の絃之がそっと声をかける。
琳華はそっと目を伏せて、なんでもないと伝えた。
その時。
「絃之兄様―――――っ!」
「うわぁっ」
甲高い声をあげて絃之の腰に飛びついてきたのは、松築陽朱雀の友好大使馨美。茶褐色の髪を潔く肩につかない高さで切りそろえてある。淡い黒の瞳をきらきらと輝かせて、興奮気味に話しだした。
「ねっ、ねっ、聞いて絃之兄様。朱雀ではね、もうクジラが上がる季節になったの」
「もう?早いな」
「でしょう?だから兄様、一度友好大使として、朱雀に来てよ!美味しいクジラ料理をご馳走するわ」
絃之は本当は友好大使ではないのだが、麒麟唯一の男手としてしょっちゅう他の五国、――すなわち玄武、朱雀、白虎、青龍、鳳凰――に顔を出している。本来これは絢子の仕事なのだが、絢子曰く
「このか弱き乙女に国と国をつなげというの?無理難題も大概にしてほしいわ」
・・・なのだそうで、結局絃之は護衛官としての任務を外れ、異例の友好大使異動が行われたのだった。
ちなみにこの馨美という朱雀の少女、絃之が大のお気に入りらしく「兄様」と呼んで憚らない。同国の皇族である絢子や琳華としては一概にいい顔はできないのだが、まだ幼いと呼べる16の少女は若干年かさの異国の者の視線など意にも解さない。自由奔放極まりなく麒麟殿を駆け回る他国籍のものは、おそらく馨美だけだろう。
その馨美が、突然「べっ」とおかしな声をあげた。
いぶかしんだ琳華が少女の頭上を見ると、そこには詰襟に近い礼服を身にまとい、金髪を高い位置にくくり直した絢子がいた。
「げ、絢子」
「げ、とは何よ、失礼ね。それに朝の挨拶は『おはよう』よ?」
・・・絢子と馨美は、いわゆる「犬猿関係」である。絢子などとうに二十歳は越えているのに、いまだ大人げないところがあるので対面するとすぐ舌戦が勃発するのである。
「ふーん、遅かったのね絢子。寝坊でもしたのかしらー?それとも今日のことを忘れてた?」
「う・・・っ」
「あら図星?やーね、これだからおばさんは困るのよ」
「お・・・おばさん!?」
「ま、失礼。つい本当のことを」
「こ・・・っ、このくそが」
「絢子様」
「むううぅ」
仲裁に入った絃之は、きっちり二人の真ん中に入ると滔々と諭した。
「いいですか、ここは議論をする場所ではないのです。言いあいは大変結構ですが、場所を選んでください」
「は〜い・・・」
「大体絢子様も大人げないですが、先にちょっかいを出した馨美がもとをたどれば悪いのですよ。もう少し場をわきまえてください」
「・・・うん」
まるで姉妹の喧嘩を止める母親のようだと人ごとのように琳華が思っていると、馨美とはうってかわった野太い声が聞こえた。
「なんだなんだ、喧嘩か??」
声の主は八乙女玄武友好大使蒼嵐。30はじめ位で、白い髪を背中まで伸ばし、耳の高さで結んである。瞳は灰のかかった黒で、細くしかし穏やかな光を燈している。
「やぁ、蒼嵐。玄武のみんなは息災?」
立ちあがった絃之がにこやかに聞くと、もっとも年嵩の男は目を細めた。
「ああ、相変わらずだ。やかましすぎるくらいにな」
「もっともそんなのは琉馬だけだろうけどね」
八乙女玄武の琉馬。六神の後裔の中では最も幼く、それゆえにやんちゃ盛りの少年だ。何気に馨美とは仲がいい。同じ気配を感じるのだろう。
絃之の言葉にまったくだ、と返した蒼嵐は、ふと思い出したのかのように呟いた。
「ところで、もうそろそろ行かなくていいのか?巖弘も妃瑚も凪辰も外で待ちあぐねているんだが」
「え、もうそんな時間ですか?」
「ああ。民の皆々さまもお待ちだ。行くぞ」
蒼嵐の言葉に従い殿を後にした一同だったが、この後の恐怖を知りえるものは誰ひとりとしていなかった。
   続


あとがき
実在する国を書こうとすると、それなりに資料が必要になるからと幻の国をつくってみました。
人の名前は漢字で、でも普通の名前だと皇家の威厳が出ないな、じゃあ雰囲気のある感じをあててみよう。・・・とまぁこんな感じで。
どうだったでしょうか!?
一応これからもっともっと続く予定です。まだ鳳凰と青龍と白虎の面々は名前しかでてないからね。
しっかししみじみと、馨美や絢子のしゃべり方に慣れない。ああいうキャピキャピしつつ女の本性が出てるようなキャラは初めてだから、もう少しはっちゃけさせようかなぁと画策中。
それでは、続きをお楽しみに〜♪
 
》記事一覧表示

新着順:11/97 《前のページ | 次のページ》
/97